近視と日光にあたる時間の関係について

近視の原因は日光にあたる時間の短さ?

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2012年に、オーストラリアの科学者が、「近視の原因は、日光にあたる時間が短すぎることが原因だ」という全く新しい視点での研究結果を発表して話題になっています。イギリスの医学専門誌「Lancet(ランセット)」に発表されたこの研究結果は、日光にあたる事で放出される神経伝達物質のドーパミンが、眼球のケアに役立っていると言いますが、一体どんな仕組みになっているのでしょうか。

ドーパミンが近視の予防に役立つ理由


ドーパミンというと一般にも知られている体内物質のひとつですが、ドーパミンの分泌が運動機能やホルモンの調節、意欲や学習、プラス感情などにプラスの作用をもたらしてくれるのは医学的にも証明されていました。新しい研究では、このドーパミンが日光にあたる事によって分泌され、眼球の長さを伸ばして、目に入った光の焦点がゆがむのを防止し、近視の状態になるのを防いでくれるというのです。つまり、端的に言えば日光にあたる事で、眼球が適切な状態にリセットされて近視の予防に役立っている、ということです。

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日本や韓国、中国、シンガポールなどの東アジアの国々では近視が多いことが知られていますが、以前は民族的な遺伝的要因が原因ではないかと思われていました。しかし、今回の研究で、東アジアの子供たちが、日々の生活習慣から日光を浴びる時間が欧米諸国と比較して極端に少なく、それが原因で近視が高い割合で発症しているのではないか、との疑いが出てきたのです。

毎日2〜3時間の屋外での活動が理想的


2008年に行われた研究で、シドニーとシンガポールに居住している中国人の子供の近視率を調べた興味深い結果があります。近視の遺伝的要因が大きいなら、シドニーとシンガポールの間で近視の子供の割合にさほど差は出ないはずです。しかし実際は、シドニーの中国人児童の近視率は3%、シンガポールの中国人児童の近視率は実に29%にも上ったとのこと。同じ民族の発生率にこれほど差が出るのは、やはり環境要因が大きいと考えられます。この両者の屋外で過ごす時間を調査したところ、シドニーの子供が屋外で過ごす時間は平均3時間、シンガポールの子どもはわずか30分、いかに日光を浴びる時間が短いかが分かります。

日本の子供も例にもれず、学校に行っても一日の大半を教室で過ごし、帰宅後も社会環境などから、屋外で思う存分過ごすことが難しくなっています。冒頭の研究を行った教授によれば、通学や外出などを含めて一日に2〜3時間日光にあたる事が理想的とのこと。これからは目の健康のためにも、子供たちの毎日の生活環境を見直した方が良いかもしれません。

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